厚生労働省への「入院時食事療養費に関する改正要望書」提出のお知らせ


【要望事項の内容】
1. 流動食を製造販売する企業が、原材料費高騰などを適正に価格転嫁し、
 流動食の安定供給が維持できるよう、入院時食事療養費を増額改正することを要望する。
2. 市販の流動食のみを経管栄養法により提供した場合の減額算定を撤廃することを要望する。


【背景】
流動食は、医療機関や介護施設などにおける栄養療法の中核として、今や欠かせない存在です。
この流動食において、原材料費および光熱費の高騰は深刻な影響を及ぼしております。

また、入院時食事療養費に話を転じると、1998年に消費税引き上げに対応して引き上げられて以降、
25年間設定額の見直しは行われておらず、そればかりか、
2016年には「流動食のみを使用する場合の入院時食事療養費」の引き下げが行なわれました。
これにより、事業環境は著しく悪化し、近年多くの企業が撤退しました。

当協会の調査によると、流動食の製造コスト(2018年を1とすると2023年は1.36)と、
販売価格(2018年を1とすると2023年でも1.13)の推移に乖離がみられました。
このギャップは、企業の利益率低下を意味し、確実に財務状況を悪化させています。
当協会での調べでは、2015年には12社の企業が流動食を製造・販売していましたが、
2023年には7社まで減少する結果となっています。

このような状況を踏まえると、企業による流動食の安定供給とより優れた製品の開発が困難になり、
患者への適切な食事・栄養の安定供給が損なわれる懸念があるため、
本要望書を提出するに至りました。

この度、主に病院・介護施設で利用されている食品(以下、「いわゆる治療食品」とする)を
製造・販売している事業者の団体である「日本メディカルニュートリション協議会」、
及び、いわゆる治療食品の卸売り企業を中心とした「全国病院用食材卸売業協同組合」が
それぞれ作成した「入院時食事療養費に関する改正要望書」を持ち寄り、
厚生労働省保険局へ3団体同時に要望書を提出しました。

2023.6.7日本流動食協会_要望書(PDF)