Ⅲ. 濃厚流動食の使用法
  • 4. 栄養ラインと輸液ラインの誤接続防止
     誤接続は最も重大な合併症と考えなければなりません。点滴剤が腸内に投与されてもさほど問題はありませんが、経腸栄養剤が静脈内に投与された場合には、致命的な合併症を来すと考えられます。対策としては、静脈ラインとは異なった形状の注入システムを導入し、必ず誤接続防止のコネクターのついた器具を使いましょう。それにより経腸栄養のラインを静脈ラインに接続することが不可能になり、安全が確保されることになります。コスト以前の問題であり、第一に取り組むべきものです。

    5.濃厚流動食へのほかの物質の混合による変化を避ける
     濃厚流動食の種類によっては、酸やpHの影響により物性が変化することがあります。特に凝集するような変化が起きるとチューブの目詰まりの原因にもなります。
     近年では薬剤の経管投与法として、簡易懸濁法が用いられ、流動食と同じ経路(チューブ)から薬剤を投与することが多くなってきています。したがって、流動食の投与前後でチューブのフラッシングを十分に行う必要があります。
    ※簡易懸濁法については、昭和大学薬学部薬剤学教室のホームページをご覧ください。

    6.経管投与時の水分管理
     1 kcal / mLの液体流動食の水分量は通常80%程度ですが、高濃度の1.5~2.0kcal/mLでは、50~70%程度と少なくなることがありますので、脱水などの注意が必要です。
    水分量の設定目安として
     ① kg体重あたり30mLとする方法
     ② 必要エネルギー量の絶対値にmLを付ける方法
     ③ 前日尿量+不感蒸泄-代謝水で求める方法
     ④ 体表面積で算出する方法
     などが用いられますが、一般的には①~③の方法が用いられています。
    また、半固形状流動食の場合では、不足した水分も半固形状で注入することが望ましいとされていますが、水分を液体のまま注入する場合には、胃内容がなるべく存在しないタイミング(半固形状流動食の投与前後2時間以上)での投与が望ましいとされています。

  • 7.投与終了時の洗浄方法
     間欠的な栄養剤の投与時には、栄養剤投与終了時や薬剤注入後に水道水20mL程度でフラッシュします。
     注入ポンプを使った持続注入時には、定期的なフラッシュが必要です。一般的には、半消化態経腸栄養剤や半消化態流動食使用時には、1日4~6回、成分栄養剤や消化態栄養剤使用時には1日2回のフラッシュで、フラッシュには水道水20~30mLを用いるとされています。
     参考:酢水の使用(酢水ロック)
     胃瘻において特にチューブ型の場合、チューブ内腔を清潔に保つ目的で、酢酸のもつ抗菌効果を利用し、酢水によるカテーテルのロックが流動食注入後に行われることがあります。流動食(半固形含む)を投与後、水道水でフラッシュし、作製した酢水をカテーテルに注入しクランプ、酢水を充てんした状態で、次の投与までこの状態にしておきます。
    【酢水の作り方】
     ・食酢:水=1:9として作製します。 

    8.濃厚流動食を希釈して投与する場合の留意点
     菌の混入の機会を増すことにもなり、原則的には流動食に水分を足すことは推奨されません。どうしても水分で希釈して製品を使用する際には、衛生的な水を使用する、希釈したまま長時間放置しない、といった配慮が必要です。

    9.チューブ/投与用具洗浄の目安について
     原則的にチューブは使い捨てになります。
     具体的な洗浄方法は、①水道水で洗浄する。②付着した汚れを十分に落とす。③自然乾燥(乾燥器を使ってもよい)させて再利用する、ルート内も完全に乾燥させることが原則です。週に1回は、0.01%の次亜塩素酸ナトリウムに1時間浸して消毒し、水道水で洗い流し同様に乾燥させます。

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