Ⅲ. 濃厚流動食の使用法
  • 3. 投与スケジュール
  • 1) 投与スケジュールの原則
    流動食の投与速度は、消化管の状態や投与ルート、使用する流動食の特徴によって変わります。腸管の耐用性を確認しながら、段階的に投与量や速度を上げていくのが原則です。具体的なチェックポイントは、
     ① 下痢の有無
     ② 食道逆流の有無
     ③ 腹部膨満症状
     一般的に、液体流動食を経鼻より投与する場合には、下痢や腹部膨満感に配慮しながら15mLから20mL/hrの緩徐な速度で開始し徐々に増量して100mL/hrを目安速度とします。
  • 2) 投与時間、投与速度
      ○ ボーラス投与
    • ・胃瘻から胃に注入する場合に行う方法。
      ・30分以内で注入が完了し、300~ 500mLを投与します。
      ・投与速度:300~ 500mL/30分
      ・胃食道逆流などの症状がなく、安定した状態の患者に対して行います。
      ・短時間での投与による胃食道逆流、下痢などを防止するために半固形化された流動食を用いることが多い。
      ・半固形化された流動食の注入には加圧が必要なため、用手的に困難な場合は加圧バッグや巻き上げ器などの補助具の使用も考慮します。
      ・あらかじめプラスチックシリンジに充填しておく方法もあります。
      ・注入時間が短時間なため、在宅介護などにおいて介護者の負担が軽減されるメリットも大きいといえます。
      ・1日2~4回の投与で1日の必要量を投与します。
  •   ○ 1時間投与
    • ・経鼻胃管、胃瘻から胃に注入する場合に行う方法。
      ・投与速度:300~500mL/時
      ・液体の流動食をチューブ付属のクレンメの開放度と流動食と患者との高低差で調節して投与します。
      ・ポンプなしでも投与可能なため、比較的簡便な方法です。ただし、投与量が過剰になり過ぎないように注意します。
      ・少量から始め、急速投与の副作用がないことを確認しつつ、徐々に投与量を増加させます。
      ・ボーラス投与と同様に、胃食道逆流がなく安定した状態の患者に対して行います。
  •   ○ 3~4時間投与
    • ・経鼻胃管、胃瘻から胃に注入する場合に行う方法。
      ・投与速度:80~ 100mL/時
      ・胃瘻からの投与開始の場合は患者の状態も考慮し、この位の速度から始めます。
      ・自然落下でも投与できるが、可能であればポンプを使用します。
      ・1日3回前後で必要量を投与します。
      ・認容性をチェックしながら投与時間の短縮も考慮します。
      ・空腸瘻は原則的には少量持続投与ですが、消化管が経腸栄養に慣れてくれば、3-4時間投与は可能となる場合もあります。
  •   ○ 持続投与 ・空腸瘻や経鼻十二指腸、空腸カテーテルを用いて小腸に注入する場合に行う方法。
    • ・投与速度:15~ 80mL/時
      ・速度の調節が難しいため、必ず注入ポンプを使用します。
      ・胃への投与でも、長期間絶食後や術後腸蠕動が十分でない時期に開始する場合も10~20mL/時でゆっくり投与を開始し、腹部膨満感、吐き気、嘔吐などの症状の有無をチェックしながら、 80mL/時まで速度を上げます。100mL/時までは可能であると報告されています。
      ・上体の挙上は必要なく、長時間の投与が可能です。
      ・24時間の持続投与も可能ですが、1日10~16時間以内の投与時間に設定すると、経腸栄養の休止時間もとれるので、チューブフリーの時間が確保できます。
      ・投与時間が8時間を超える場合は、体内に留置しているカテーテルの詰まり防止のため、投与の途中で10mLの微温湯(水道水でよい)を用いてフラッシュします。またボトルを使用している場合は新しいものに交換します。終了後は微温湯を用いてフラッシュした後、10倍に希釈した食用酢にてカテーテル内を満たしてロックすることがあります。

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